ホイールサイズの見方は?失敗しないサイズ変更のポイントまで解説!

ホイールの交換を考えているものの、どのようにホイールサイズを確認すれば良いか分からず悩まれている方も多いでしょう。自分の車のホイールサイズが分からなければ、適切なホイールを選ぶことができません。自分の車に合わないホイールを選んでしまうと走行に支障をきたす可能性があります。

この記事ではホイールサイズの確認方法や見方、サイズ変更で失敗しないためのポイントについて解説します。自分の車に合ったホイールを選んでドレスアップを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ホイールサイズはリムの裏側に表記されるのが一般的

市場に出回っているタイヤの多くはリムの裏側にホイールサイズが印字されています。ホイールサイズを確認するにはホイールをタイヤから取り外さなくてはなりません。リムの裏側は外側から見るとブレーキディスクやブレーキキャリバーに隠れて見えないためです。

ホイールの取り外しには注意が必要です。ホイールの取り外しには専用の工具が必要で、危険も伴うためです。タイヤに傷をつけてしまう可能性もあります。工賃はかかりますが自動車整備工場やタイヤ販売店に持ち込んで専門の業者に確認してもらうことをおすすめします。

ホイールサイズの見方

ホイールサイズは4つの数字とアルファベットで表示されています。

  • リム径
  • リム幅
  • フランジ形状
  • ボルト穴数
  • P.C.D
  • インセット

順番に解説します。

リム径

リム径とはタイヤを装着していない状態におけるホイールの直径です。単位はインチサイズ。タイヤのうちのりとリム径は一致するため、タイヤを交換する際は同じリム径のタイヤを選ばなければなりません。

リム幅

リム幅とはタイヤをはめる部分の幅です。単位はインチサイズ。運転時の操縦安定性を確保するためには、タイヤのサイズに合ったホイールのリム幅を選ぶ必要があります。タイヤ幅と適合するリム幅の範囲がメーカーごとに設定されているので、必ず適切な範囲内でタイヤとホイールを組み合わせるようにしましょう。

フランジ形状

フランジ形状とはホイールとタイヤが接する外周部分の形状です。リム面からフランジ頭頂部の高さとフランジの厚みを基に分類し、アルファベットで表記されます。多くの車種は「J」や「JJ」で表記されますが、稀に「B」の形状も見受けられます。

それぞれのサイズは以下の通りです。

形状

サイズ

フランジ形状J

高さ17.5mm 厚さ13mm

フランジ形状JJ

高さ18mm 厚さ13mm

フランジ形状B

高さ14mm 厚さ10mm

 

フランジ形状が違ったとしても車両に装着できないことはありませんが、タイヤを装着したときの見た目が少し変わります。例えばフランジ形状JはJJと比較して小さくなる分ホイールが大きく見え、スタイリッシュな印象を与えるといった具合です。自分の好みに合ったサイズを選びましょう。

ボルト穴数

ボルト穴数とはホイールを取り付けるボルト穴の数です。ボルト穴数は大型車になるほど多くなる傾向があります。ボルトの穴数が増えるほど、支えられる車両の重さが増えるためです。普通自動車や軽自動車では4穴から5穴、タイヤの大きなSUVや、クロスカントリー車では6穴が一般的。マルチホイールとよばれる8穴や10穴のホイールも、バスやトラックなどの大型車では用いられています。自動車メーカーが車両の重さを踏まえてボルト穴数を決定しているため、ボルト穴数による性能の違いはないと考えて良いです。

P.C.D

P.C.DとはPitch Circle Diameter の略で、ボルト穴の中心点を結んで描かれる円の直径のことです。単位はミリメートル。国産車の場合は100mmまたは114.3mmが一般的ですが、輸入車には様々なサイズが存在します。P.C.Dが合わないと装着できないため、ホイール交換する際は適合するか必ず確かめましょう。

インセット

インセットとはホイールの中心線から取付面までの距離です。単位はミリメートル。以前はオフセットと呼ばれる表記方法が、日本では一般的でした。しかし海外ではインセットで表記するのが基準となっていたため、2008年7月11日にJATMA(日本タイヤ協会)によって表記方法が、インセットに統一されました。今でも名残でオフセットと表記されることがありますが、インセットと同じ意味と考えて問題ありません。

インセットは次の3つの名称で示されます。

  • インセット:取付面がホイール面の中心より外側に出ている状態
  • ゼロセット:取付面がホイールの中心線と同じ位置の状態
  • アウトセット:取付面がホイールの中心線より内側にある状態

インセットが許容範囲内に収まらないホイールが取り付けられていると、車検に通らない可能性があります。走行に支障が出たり、タイヤが損傷するリスクもあるので危険です。ホイールを選ぶ際は、インセット値が規定に収まっているか確認すると良いでしょう。

ホイールのサイズのインチアップ・インチダウン

タイヤの外径を変えずにリム径の大きなホイールに変えることをインチアップ、小さいものに変えることをインチダウンといいます。インチアップやインチダウンにはそれぞれメリット、デメリットがあります。それぞれのメリット、デメリットを抑えた上で自分に合ったカスタマイズをすることが大切です。それぞれ解説します。

インチアップ

インチアップのメリットはドレスアップ効果です。ホイールサイズが大きくなることでタイヤが相対的に薄くなり、ホイールが強調されてスタイリッシュな印象になります。タイヤと地面の接地面が広くなることによってコーナリング、ブレーキ性能も向上します。

ただし、インチアップは燃費の悪化につながる可能性があります。地面との接地面が広くなることで抵抗が増え、タイヤを回転させるのにより多くのエネルギーが必要になるためです。路面の振動が伝わりやすくなり、走行音が大きくなる可能性もあります。インチアップは、デメリットも十分理解したうえで検討しましょう。

インチダウン

インチダウンのメリットは、乗り心地が良くなることです。地面の凸凹をタイヤの厚みが吸収してくれるようになるので、走行音が小さくなります。接地面が小さくなることで相対的に面積当たりの車両重力が大きくなるので、雪道でも滑りにくくなります。

デメリットは見た目が変化することです。ホイールが小さくなる分タイヤが相対的に分厚くなり、視覚的に優れません。車体とのバランスも悪くなるので、ビジュアルにこだわりを持つ方は注意しましょう。

失敗しないホイールサイズ変更のポイント

失敗しないホイールサイズ変更のポイントを3つ厳選してご紹介します。

  • タイヤの外径を変えない
  • フェンダーからホイールがはみ出さないようにする
  • ロードインデックス値を同等以上にする

それぞれ順番に解説します。

タイヤの外径を変えない

タイヤの外径を変えると、スピードメーターと実際の走行速度に誤差が生じてしまいます。スピードメーターは、走行時の回転数を基に速度を計測しているためです。誤差が車検の審査基準規定を外れると、車検に落ちる可能性もあります。

外径が大きなタイヤに変更すると、走行時にタイヤが車体に接触してトラブルの原因にもなりかねません。タイヤを交換する際は、変更前後でタイヤの外径を変えないことがポイントです。

フェンダーからホイールがはみ出さないようにする

タイヤを覆う部分であるフェンダーからホイールがはみ出さないようにしましょう。フェンダーからホイールが外側にはみ出すことは、道路運送車両の保安基準第18条で禁止されています。

ホイールが車体よりはみ出すと、走行中にタイヤが跳ね上げた小石をフェンダーが防げず、周囲に飛び散ってしまう可能性があります。狭い道で自転車やバイク、歩行者とすれ違う際には、接触や巻き込み事故のリスクも高まるでしょう。安全な走行のためにもフェンダーに合わせたセッティングが重要です。

ロードインデックス値を同等以上にする

ロードインデックス値は交換前と同等以上にしましょう。ロードインデックス値とはタイヤ1本で支えられる負荷重量のことでサイズごとに定められています。負荷重量が規定以下のタイヤで走行するとタイヤに負荷がかかり、ひび割れやパンク、バーストの原因になります。

インチアップする際は、純正タイヤのロードインデックス値を下回らないようにしましょう。タイヤが支えられる最大負荷の低下に繋がり、本来の性能を発揮できません。車検に通らない可能性もありますので、注意が必要です。

まとめ

ホイールサイズの確認方法や見方、サイズ変更で失敗しないためのポイントについて解説してきました。ホイールサイズは、運転性能や見た目を大きく左右する重要な要素です。適切なホイールに交換できれば、車の持つ性能や魅力が最大限発揮できるでしょう。

ぜひ本記事を参考に自分の車に合ったホイールを選び、快適なカーライフを送ってください。