ホイールインセットの変更を検討しているものの、自分の車に合ったサイズが分からず悩まれている方も多いでしょう。ホイールインセットは、車種によって適正な範囲が定められています。適正な範囲を外れてしまうと、安全面に支障をきたす可能性があるので注意が必要です。
この記事ではホイールインセットの調べ方や変更方法、安全なホイールインセット変更のポイントを解説します。ホイールインセットの知識を身に着け、自分の車に合ったホイールを選べるようになりたい方はぜひ参考にしてください。
ホイールインセットとはホイールの中心線と取付面の距離
ホイールインセットとはホイールの中心線と取付面の距離です。単位はミリメートルですがリム幅の単位はインチ表記となっています。カスタマイズの際はリム幅をミリメートルに換算する必要があるので注意しましょう。1インチは25.4ミリメートルに換算可能です。
ホイールインセットは、取付面との位置関係によって表現が変わります。
名称 |
位置関係 |
インセット |
取付面に対して内側にホイール中心線がある |
ゼロセット |
取付面とホイール中心線が垂直線上にある |
アウトセット |
取付面に対して外側にホイール中心線がある |
取付が可能なインセットの範囲を超えてしまうと、走行に支障をきたすので注意が必要です。インセットを変更する際には、車の安全性を考慮する必要があります。希望するサイズや見た目のバランスなどを、専門店に相談すると良いでしょう。
オフセットとインセットの違い
オフセットとインセットは同義です。従来はオフセットと呼ばれていたので、歴の長いユーザにはオフセットの方がなじみ深い場合もあります。2008年7月11日にJATMA(一般社団法人日本タイヤ協会)が国際基準に合わせることを呼びかけ、インセットに統一されました。名残でオフセットとインセットが併記されている場合もありますが、同じ意味と考えて問題ありません。
ホイールインセットの調べ方は2種類
ホイールインセットの調べ方は2種類です。
- ホイールを直接確認する
- インターネットで検索する
それぞれ解説します。
ホイールを直接確認する
ホイールインセットを調べる際は、まずホイールを直接確認します。メーカーや車種によって異なりますが、リムの裏側に刻印やステッカーなどによって表記されるのが一般的です。リムの裏側に表記されていなければホイール側面、ハブボルト付近などを確認してみましょう。
インターネットで確認する
ホイールインセットをインターネットで検索するのもおすすめです。車種や年式、グレード、型式、駆動式などを検索すればホイールインセットが調べられます。ホイールを直接確認してもホイールインセットの表記が見つからなかった方は、インターネットで検索すると良いでしょう。
ホイールインセットの変更は2種類
ホイールインセットの変更は大きく分けて2種類です。
- インチアップ
- インチダウン
それぞれ解説します。
インチアップ
インチアップとはタイヤの外径を変えずに、リム径のみを大きくすることです。インチアップは主にドレスアップを目的に行われます。
インチアップによってタイヤが薄く、ホイールのデザインは相対的に強調されるようになり、スタイリッシュな印象になります。タイヤと地面の接地面が広くなってグリップ力が上がり、ハンドリングの操作性が向上する点もメリットです。
インチアップすると燃費が悪くなる可能性がある点には、十分注意しましょう。タイヤと地面との接地面が広くなることでタイヤの転がり抵抗が増加し、より大きなエネルギーが必要になるためです。地面からの振動が車内へ伝わりやすくなるため、乗り心地も悪くなります。インチアップは車に実用性を求める方には向いていないといえるでしょう。
インチダウン
インチダウンとはタイヤの外径を変えずに、リム径のみを小さくすることです。インチダウンすると地面からの衝撃が車内に伝わりにくくなるので、乗り心地が良くなります。タイヤが厚くなり、クッション性が増すからです。タイヤの価格は基本的にリム径の大きさに比例するため、購入や買い替え時のコストを抑えられる点もメリットといえるでしょう。
インチダウンで注意が必要なのは、おしゃれ感が失われる点です。タイヤが厚くなると、ホイールのデザインが目立たなくなります。スタイリッシュな印象にしたい場合は、インチダウンは控えるのがおすすめです。
ホイールインセット変更のポイント4選
ホイールインセット変更は車の持つ魅力を引き出す一方、やり方を間違えると運転時に思わぬ事故の原因にもなり得ます。安全なホイールインセット変更のポイントは、以下の4つです。
- フェンダーから出ないようにする
- タイヤの外径を同じにする
- 適正な空気圧に調整する
- ナットが緩まないようにする
それぞれ順番に解説します。
フェンダーからホイールが出ないようにする
ホイールインセットを変更する際は、フェンダーからホイールが出ないように注意しましょう。ホイールがフェンダーからはみ出してしまうと、歩行者や自転車と接触して巻き込み事故に発展する可能性があるからです。
道路運送車両の保安基準によって、ホイールはフェンダーからはみ出してはならないと定められています。保安基準を下回れば車検にも通りません。事故防止の観点から、既定の範囲内でカスタマイズを行なってください。
タイヤの外径を変えない
タイヤ外径の変化を最小限にするのも重要となります。外径が変わるとタイヤが一回転するときの距離が変わってしまい、スピードメーターと実際の速度に誤差が生じてしまうためです。メーターの数値と実際の速度に差があると、正確な速度を把握できないため交通事故の危険が高まります。
車検にはスピードメーターの検査項目が設けられているため、車検に落ちてしまう可能性もあるでしょう。外径差はマイナス3パーセントからプラス2パーセント程度に収めるのがおすすめです。
適正な空気圧に調整する
ホイールインセット変更では、交換後のタイヤに合った空気圧に調整しましょう。タイヤによって適正な空気圧が異なるためです。以前のタイヤと同じ空気圧にすると、適正な空気圧とならない場合もあるでしょう。
適正範囲外の空気圧で走行するとタイヤに負荷がかかり、バーストやパンク、燃費の低下につながります。適正な空気圧はメーカーサイトで確認できますので、必ず適正な空気圧を調べた上でホイールインセット変更に望みましょう。
ナットが緩まないようにする
ホイールインセットをホイールスペーサーを挟んで微調整する際は、ナットが緩まないように注意しましょう。ホイールを固定するハブボルトの長さが短くなり、ナットを締め付ける回数が減ってしまうからです。
ホイールを固定する強度が過度に不足すれば、走行中にナットがガタつく可能性もあります。最悪の場合脱輪して大きな事故の原因にもなりかねません。安全な走行のためにも定期的にナットの緩みや痛みがないか確認しましょう。
まとめ
ホイールインセットの調べ方や変更方法、安全なホイールインセット変更のポイントを解説してきました。適切なホイールインセットにカスタマイズできれば、車の持つ魅力は最大限引き出されます。
ホイールインセットが数ミリ変化するだけで、走行性能や見た目は大きく変わるでしょう。ぜひ自分の車に合ったホイールインセットを選び、より豊かなカーライフを送ってください。
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